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東京カンテイ(東京)がまとめた3月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区が前月比1・0%アップの7937万円と過去最高を更新しました。値下がり傾向にある千葉市(3931万円)の2倍になりました。建築コストが上がるなか、高値でも買い手のつく都心の人気エリアとそれ以外で明暗が分かれています。
調査は敷地面積が50㎡以上100㎡未満の新築木造一戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩30分以内またはバスで20分以内の物件を対象としました。
23区の戸建て価格が値上がりするのは4カ月連続で、前年同月比の上昇率は10・3%に上ります。けん引するのは交通利便性の高い城南・城西エリア(品川区、世田谷区など)です。資金力のある世帯の買いが続き、価格を押し上げています。
原価の上昇を販売価格に転嫁しても買い手がつく人気立地に住宅供給が集まりやすいです。建設物価調査会(東京・中央)の建築費指数(速報値、2015年=100)によると、木造住宅の建築費は東京地区で2月に前年同月比4・9%増えました。
一方で都心以外の地域では値上がりに買い手がついてこられず、価格差が大きくなっています。例えば千葉市の戸建て価格は2カ月連続で値下がりし、前年同月も6・4%下回ります。23区との差が2倍を超えるのは2年ぶりです。東京都全体の平均価格も前月比0・1%安とわずかに下落しました。