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安全保障上重要な施設の周辺で土地取引を調査・規制する新法が1日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決しました。外国資本が自衛隊基地の隣接地や離島の土地を購入して不適切に利用するのを防ぐ目的です。政府・与党は今国会での成立を目指しています。
内容は、自衛隊基地や海上保安庁の施設などから1キロメートルの周辺地を「注視区域」に指定、国が不動産登記簿などを使って土地や建物の所有者の氏名や国籍、賃借権を調べられるようにします。所有者が外国と関係が深い場合は利用目的の報告を求めます。
自衛隊基地の中でも司令部機能をもつ場合や無人の離島など、安全保障上さらに重要な土地は「特別注視区域」と定めます。200平方メートル以上の土地を売買する場合、取引した人や団体の氏名や住所、利用目的の事前届け出を義務付けます。
調査の結果、電波妨害やライフライン遮断といった恐れがあると判断すれば利用中止を勧告・命令します。命令に従わなければ懲役2年以下か罰金200万円以下を科すことができます。特別注視区域の無届けや虚偽報告には、6カ月以下の懲役か100万円以下の罰金を科すことができます。新法を整備するのは外国資本による国内の土地買収が安全保障上の脅威となっている実態に対応するためです。一番は中国の動きが念頭にあり、政府は成立後、対象施設や区域指定の考え方などを詰めて基本方針を決定します。